スタンダードはそれだけ多くのアーティストにカバーされているので、日々新曲の用に更新されているといっても過言ではありません。
今回紹介する「All the Things You Are」はスタンダード定番曲でもかなり上位に入る人気曲です。Jerome David Kernという方が作曲した、題名の通りラブソングです。歌詞を意訳すると「あなたマジ天使…いつ私のものになるの…」という片思いソング。
初めて聞く方にはメロディがわかりにくかったりするかもしれませんが、すべてのカバーを聞き終わる頃にはお気に入り達の仲間入りをするはずです。
好きなアーティストが見つかるのが一番嬉しい。あなたの為に歌うのよ。
- Sarah Vaughan
- Johnny Griffin
- Oscar Peterson
- Brad Mehldau
- Pat Metheny & Jim Hall
- Maria Augausta
- Stochelo Rosenberg
- Michael Jackson
- Cuong Vu
- Lanny Cordola
- おわり
Sarah Vaughan
劇場チックな歌ものカバー
ストリングスが次々にストーリーを作り出していきます。
昔のディズニーとか劇中歌に使われそうなバックに、力強くも憂いのある歌声を披露するのは御三家サラ。手を伸ばされながらこんな風に歌われたら、月下のもと思わず手を取り合ってしまいそう。
この曲は恋人と聞こう。いない人は一人で聞こう。
Johnny Griffin
サックス!
サックスとピアノ。
正統派なジャズの感じなので暗がりで聞きたい。
ソロ回しもあるので飽きが来ないいい曲です。
Oscar Peterson
ピアノでしっとり情熱的に語りかけるナイスガイ向けのカバー
このカバーは一貫して真面目な曲調です。
ナイスな男が女性に花をもっていきそうな雰囲気。気持ちを表に出せそうで出せない感が出ている気がします。
盛り上がると情熱的になるのは流石オスカーの表現力。一番「All The Things You 」という感じがするカバーですね。
Brad Mehldau
理系の繊細な人間と恋をする、そんな感じ
安心と信頼のメルドーのカバー。
彼が弾くと、どんな曲も彼が関わったのが分かるようになるのが凄い。
ピアノとベースのデュオというシンプルさ。メルドーらしさが反映されて湖のような透き通った感じになるのが心地よい。
コテコテのジャズと言うより、ピアノの美しさを押し出したアレンジなので、誰が聞いても曲の中を彷徨えます。
Pat Metheny & Jim Hall
ギターのまろやかな音が重ねられるカバー
ジャズギタリストレジェンドの共演です。
曲に則った分かりやすいアレンジで、二人の丸っこい音がうまく絡み合っていきます。大人な熟練された演奏と言った感じ。
とても落ち着いた演奏で二人共この曲が好きなんだというのが伝わってきます。ギターだけでなくベース・ドラムも超一流で雰囲気に合わせた演出で盛り上げます。
Maria Augausta
私はボサノバでまったり口説くとするよ…
ああ落ち着く…そんなに急がなくてもいいじゃない。
時間はあるんだからゆっくり関係を深めていこうじゃないか…。なカバー。
ボサノバアレンジは気力をいい意味で奪われて落ち着けるからいいですね。脱力って大事ですね。
Stochelo Rosenberg
ジプシージャズの高速フレーズと片思いの融合
個人的に一番好きな「All the Things You Are」のカバーです。
ジプシーっぽくジャカジャカしながら高速フレーズを軽々と弾いているのですが、なにより素晴らしいのは麗らかなメインテーマのアレンジ。ぱっと聞いた限り本当にあのメロディ?となりますがちゃんと聞くとあのメロディなのです
。テーマ部分はは綺麗な女性がゆっくり踊っているような場面を思い浮かべますが、その後はノンスットップ求愛ソロだ!
Michael Jackson
ステージで脚光を浴びまくるカバー
勿論紹介しますとも。
ポップスターのマイコーも「All the Things You Are」をカバーしていました。
かなり初期の頃の曲だと思うのですが、このハイトーンボイスは病みつきになりますね。ジャズカバーと比べると派手な感じになっており、サビの盛り上がりには思わず一緒に歌いたくなります。
スターが告白するとはこういうことだ。皆さんもアフロにしましょう。
Cuong Vu
愛しいほど不安になるんです。なちょっと不気味カバー
色々不安になる時期ってありますよね。
それを表したのが、数あるカバーの中でも一際異彩を放つこの曲。少し不気味だけど、それでも聞いていたくなるのです。
伸びやかなトランペットが艶っぽい。音に徐々に追い詰められる感覚がカオス。
どこかミステリアスなトランペットに酔いしれよう。
Lanny Cordola
謎の方向にいったクレイジーハードロックカバー
3分20秒までは我慢してやるよ…でもな、そこからは覚悟しとけ…
やあ!またせたな!俺だ!
片思いだって?そんなのナンセンスだ!
俺のギターを聞け!!
そんなカバー。とにかく後半はハードに演奏します。
こういう突き抜けたカバーも好きです。
普通に音色が多彩でロック好きも楽しいのではないでしょうか。
おわり
たくさんのアーティストがそれぞれ思いの丈をぶち込むから、スタンダードカバーはやめられない。
ここまで聞いた皆さんなら、「All the Things You Are」を好きになっていることでしょう。
ジャズはライブが楽しいと思うので、好きなアーティストを見つけて色んなライブバージョンを聞いて頂けたらなと思います。
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