※2020/3 更新
ギター初心者は音源で流れている謎の「ウィーン」や「ファッー」「ポーン」といった音の出し方を調べるのが難しいはず。
そんな人に向けて抽象的に探せるように実際の音源ありで掲載していきます。
わかりにくいギターの音の出し方をテクニックを用いた音色の変化と、エフェクター等の何かしらの道具を使ったものとで記事を分けました。
エフェクター・ツール編はこちら↓
・「【動画あり】ギターのあの音はどのエフェクター?一覧まとめ」
テクニック編
スウィープやエコノミーピッキング等は音色の変化もありますが、技術寄りなものかな?と思いとりあえず省きました。
「ハーモニクス」・楽譜では「◇」表記
ポーンと綺麗な音色・弦楽器っぽくない音
おそらくギター初心者が始めてびっくりする音の出し方がこれ。ポーンポーンとなっているのがハーモニクス。最初はチューニング時に覚えることになると思います。弦の長さの特定の部分(2分の1等)を左手で軽く触れて弾くとぽわ~んとなります。
詳しい解説はこちら↓
エレキギター初心者入門講座|ギターでハーモニクス ※J-Guitar.com様へのリンク
上記動画では~00:34あたりまでがナチュラルハーモニクス、それ以降押弦状態のハーモニクスになります。開放弦じゃないとハーモニクスって出ないのでは?と思われる方もいるでしょう。
フレットを押せばその分弦の相対的な長さが短くなるので、ハーモニクスのポイントを押したフレット分ずらせばそこがハーモニクスのポイントになります。
タッピングハーモニクスとかテクニカルハーモニクスとか言われたり言われなかったり。
これを利用して左手で触れていたハーモニクスを右手の人差指等で代用し、ほかの余った右手指で弾くとハーモニクスがどの音でも出せるようになります(左手がカポの状態になっているということです)。
「ピッキングハーモニクス(PH)」・楽譜表記「PH」
音程が跳ね上がってぷぉー~ん!と激しく鉄が刺さるような音になるやつ
Sergey Golovin-TwoGether
この動画では00:36辺りで普通のピッキングとPHを使っているので違いが分かりやすいと思います。
HRギタリスト御用達テクニック。同じ弦同じフレットなのに音が倍ぐらいはね上がります。これはハーモニクスを使用したテクニックで、ピックで弦を弾いた瞬間に指を触れさせて発生させるやや慣れが必要な奏法です。Pinch Harmonics とも呼ばれます。
右手親指をピックの先端側にもっていきダウンピッキングで、弦から音がでると同時に親指も同じ弦にかすらせるイメージです。
いきなりフレーズの中にアクセントとしてツッコむと凄く映えます。決め所で使ってハッ!とさせるパターンが多いでしょうか。
歪ませれば歪ませるほどPHもエグい音になっていくので、メタル系の音楽なら音色が変わって音が突き刺さる感じになれば大体PHです。
具体的なやり方は説明が難しいので調べてみてください。
「スラップ」・楽譜では「>」「×」が多い
バチバチした音と共に凄いファンキーな弦叩くやつ
Rob Scallon-Slap Guitar Battle
ベーシストなら皆しっているであろうテクニックですが、ギターでやっても結構楽しいものです。
テクニックとしてはわかりやすく、右手で弦を叩きつけそして引っ張って音を出すだけ。ギターは弦が細く本数も多いのでなれない内は細かく狙わないといけないので大変ですが、慣れてくるとなんとなく叩けます。音の合間にスラップの音を挟んでいき矢継ぎ早に流れを持っていけるので、音の息継ぎの勢いを落とさなくできます。
左手での叩きはギターでは簡単に音が出るのでベースよりなんちゃって高速スラップがしやすくもあります。スラップでドラムのスネアのようなフィルを入れたりすることが可能なため、グルーヴを出したりスピード感を表現することが出来るのではないかなと思います。
「ネイルアタック(?)」・楽譜では「×」(ミュート表記)
弦を軽く叩いてチャッチャッってリズムとるやつ
Acousphere-Wave
偶数拍でチャキチャキなってるのが例のアレです。なんとなく習得していたので正式名称がわかりませんが、おそらく「ネイルアタック」と調べるとそれっぽいのが出てくるので今回はこの名称で行きます。※スラップは指の腹で叩きます。
ソロギターやデュオ等ギターオンリーの演奏でリズム感を出すために用いられる事が多いです。右手の爪を易しめに弦に上から叩くとチャッっとなると成功。コードやアルペジオの裏に突っ込めば、小気味よいリズムで躍動感がでます。
弾いている側としてもリズムキープができそう。基本的に伴奏に使うのでリズムが一定になります。
しかし慣れてくると音を出しながらアタック音を出せるようになる(弦を弾いてそのまま振り抜き下の弦をアタック)ので、割りと自由な音の入れ方は可能。
「ライトハンド・タッピング」・楽譜では「T」など記等
ピッキング音なしの音で全部スラーで繋がってるような右手で弾く奏法
この動画がゆっくり弾いていて分かり易い。
ピッキングせずに右手のタッピングを用いり、プリングハンマリングだけで全ての音が繋がった用に演奏できる奏法です。やっている事はP、Hなので右手を使わなくてもライトハンド的な音色は出ます。しかし右手を使うと音程に幅が出るのでそれが繋がり綺麗な音の動き、そして高密度の音を配置出来るのが強み。
動画後半部分のように指ではなく、ピックでつつきまくってタッピングすると普通のライトハンドでは得られない独特の鋭い音色がでるので試してみてください。
Van Halen辺りが日本ではライトハンドの代名詞ですよね。
私のように『Hot For Teacher』(※動画リンク)でライトハンドデビューした人はおおいはず。
「 タッピングハーモニクス」・楽譜は「TH」など表記
弾いたあとなのに右手でごそごそして音が変わる
動画で言うと00:17、00:28あたりのフレーズ
ハーモニクスの項目で説明した、右手を用いたハーモニークスをタッピングで応用したテクニック。
つまり左手の押さえたフレット分ナチュラルハーモニクスがあるフレットをずらして、そこをタッピングでハーモニクスを奏でます。
今回のソロでは2弦10Fを鳴らし左手はそのままで、22Fの真上を右手でタップしています。
このテクニックの特徴としてライトハンド特有のスラーがかかった滑らかな音運びを、ハーモニクスに繋げられます。
実音が伸び切ってからそのまま音のつぎ目なしにポーンと音を変化させられるので、ソロで使うとかなり効果的で印象が強くしますね。ちなみに実音がでていなくても、いきなりタッピングでハーモニクスを出すのも可能。
コツはちょっと叩く感じでやると上手く行くと思います。
「ハイブリッドピッキング・チキンピッキング」
ピックも使いながら右手の空いてる指も使う
テクニカル系のギタリストで全然右手が動いてないのに凄まじいスピードで、割とはっきりしたアタックのフレーズを聞いたことがありませんか?
それに使われたりしてるのがこのテクニック。
ピックで上の弦を引きながら空いてる薬指と中指で下の弦を弾くことによって、スムーズに弦移動しながら弾く事が出来ます。
性質上だいたい弦とびからの、ピックでひいた弦から1本ずつ下にずらしていったりしやすく流れるようにフレーズを上昇下降することができます。
殆どのフレーズが左手のハンマリングと組み合わせることが多いので、レガートの滑らかさと弦を弾くアタック感でバランスの良い音のつながりを出せます。
速弾きみたいなジャンルでなくてもブルースで使われたり、ネオソウル系でコードを使うために使ったりと多用な使いみちが存在します。
「スウィープ」
右手をゆっくり上下してるだけなのに高速フレーズが聞こえる奏法
ハードロックやメタルなどで多用されているテクニックです。
動画の通り右手にかかる負担が極めて少ないのにとてつもない音数を組み込める、速弾きギタリストが大好きな奏法。
コードストロークのように一振りで弦を一気に弾ききるのですが、音が重なりすぎないように一つ一つ粒を立たせて弾くのがコツです。
つまり弾いた音をすぐにカットするという左手のミュート技量も求められるので慣れないうちはゆっくり弾いて、ただの遅いストロークという音にならないようにしましょう。
一番下の弦のみ折り返す為二回弾くことになりますが慣れてくると普通に弾くより手が疲れません。(左手はきつい)
コードトーンを弾くことが多いので簡単にソロに組み込めたりフィットしやすいと思います。語源は掃除するように(スウィープ)からきてるようです。
「エコノミーピッキング」
一時的に同じ方向で弾くスウィープの亜種テクニック
動画を見ると凄く分かりやすいですが、本来上下交互にピッキング(オルタネイトピッキング)
↑ ↓ ↑ ↓ ↑
しているところを
↓ ↓ ↑ ↓ ↓
のようにピッキングの方向そのままで次の弦も弾くというテクニックです。
こちらもスウィープ同様右手にかかる負担がかなり抑えられ、難しいフレーズでも簡単に弾くことができます。
ロックなどの歪ませるジャンだけではなくジャズ等のサウンドでもよく使われており、きれいに流れるようなニュアンスで音を出すことが出来ます。
ただ注意点としてオルタネイトのようにはっきりとした音の立ち上がりではなく、レガート気味になってしまい輪郭はぼやけてしまうので注意しましょう。
極限まで速さを求める場合はオルタネイトの方が最終的には速くなります。
「フィードバック」
音が伸び続けてキーンとなる
よくギタリストが音を出した後何もしてないのに、音が伸び続けてキーンと高音になるテクニックを披露している所を見ませんか?
このテクニックはアンプから出た音でギターの弦を共鳴させ断続的に音を出し、あのなんとも不思議なノイズが出せるのです。
動画の通り強く歪ませたギターをアンプに近づければ可能。勿論環境によって多少のコツは必要です。ワウやボリュームペダル・ブースター等で出力コントロールをしてフィードバックを出したりも出来ます。
フィードバックにアーミングしたり、空間系を使ったりと効果音的な使い方が面白いです。
因みにBOSSからフィードバックを手軽に出せるエフェクターも発売されています。
踏むだけであの空間が出せるので完璧に狙ったフィードバックを出したい方におすすめ。
「ピックスクラッチ」・楽譜表記「×~~」(波打った線が下方向へ向かっている)
こすれたようなギュ~ンと潰れた音が出る
歪み系でのソロや曲の始まりの前に挿入することが多いテクニックです。
市販されている楽譜には大抵五線譜の上に「pick scratch」と記載されているので分かりやすいと思います。(pick slide・pick scrapeとも言ったりします)
ピックの側面を弦に当てて適当にキュルキュルやるだけで音がなるので、インパクトの割には誰にでも使える飛び道具です。
ヘッドに向かわせて滑らせたり、ブリッジ付近でこすりつけたり、左手ミュートした状態でやったりといろいろ応用できるので、表現の幅が広がります。
「 グリッサンド」・楽譜表記「g(-で行き先指示)」
フレーズ等の区切りにギューン↓と一瞬下がっていく音が入る小技
Joe Satriani "Satch Boogie" At: Guitar Center
場面転換や要所要所のフィル扱いで入れます。この曲では0:34や1:40などが分かりやすいです。
似た奏法にスライドがありますがこちらは行き先の音程が決まっている場合です。
グリッサンドはとりあえずキリのいいとこまでいったれ!な場合です。
HRや歪ませる系のジャンルで特に聞きやすいもので、一旦すっきりさせて突入、みたいな使われ方をします。リズム、音の入りが気持ちよく入れられ、ベースのゴーストノートの様に次への勢いがつけられるのでソロでもよく使われます。
高い音程から低い音程だけでなく、逆へ動かしたりもします。
勿論クリーン系の音でも役立ちますし、テクニックを必要としないので簡単。
基本的に5弦6弦の低音で太くインパクトを与える使い方が多いものの、BBキングのように1弦の高音をキューン!とやってキメのようにも使えます。
ボリューム奏法
Isn't She Lovely~♪ ボリュームでハーモニカの息づかいを演出してみました。磨き上げた技術とセンスを融合してみました☆ pic.twitter.com/JkATOgTTU8
— KellySIMONZ(ケリーサイモン) (@KellySIMONZ) 2016年2月5日
)さんのTweetからです。
「ミュートハンマリング・プリング」
飛び道具的に金属音をならす
これは飛び道具的なものですが使う場所によってはとってもびっくりさせる事ができる技です。
右手でハーモニクスがなりやすいところをミュートして、左手でプリングハンマリングでバタバタさせるとこんな感じになります。
ハーモニクスを混ぜたような音なので右手はしっかり押し当てず軽く触れてるレベルでやるとキレイな音になると思います。