「そうだ京都、行こう。」の曲。今回は「My Favorite Things」。スタンダードあるあるの、ミュージカル(映画)の挿入曲がオリジナルです。「サウンド・オブ・ミュージック」という映画での曲ということは案外知らない人が多いと思います。1965年の映画なので、世代によってはなかなか知る機会がないかもしれませんね。
この曲は個性的な上下するメロディが繰り返されるのが最高で、最初と最後のテーマ部分は少し音が変わります。その微妙な変化をずーっと聞いていたくなるような中毒曲。ジャズとか関係なく好きな曲です。とにかく言葉で表現できない素晴らしい曲なので聞いてください。
電車のCMのカバーバージョンで知っているという方が殆どだと思うので、原曲も併せて紹介していきます。私のお気に入りの、私のお気に入り集。
- Julie Andrews
- Woody Herman
- トルヴェール・クヮルテット
- 赤坂達三
- Brad Mehldau
- Olivia Ong
- Cuarteto Sonando
- 上原ひろみ
- GONTITI(ゴンチチ)
- HanaH Spring
- Outkast
- おわり
Julie Andrews
元気が出るオリジナル曲
作曲者はRichard Rodgers。歌い方もミュージカル風で、感情を混じらせる部分がとっても楽しい。三拍子でテンポよく、色々語りかけてくるイメージが湧いてきますね。
劇中では雷で怖がる子どもたちを落ち着かせるために歌っている曲です。
旅ソングのイメージがありますが歌詞は全然関係なく、自分のお気に入りなものを思い出して悲しい、暗い気持ち吹き飛ばそうという曲です。
Woody Herman
急いで好きなものかき集めろ!急げ!急げなカバー
もう最初のカウントからして早い。ドラムも早ければ管楽器も早い。ピアノもベースも勿論早い。おばちゃん達のバーゲンセールの熾烈な争いレベル。ソロ回しが終わった後のドラムとベースの飛ばしっぷりは笑ってしまうぐらい。
好きなものを手に入れるってことはな!スピードが全てなんだよ!
トルヴェール・クヮルテット
サックス四重奏の管楽器がお気に入りな人達カバー
日本人の有名なサックス集団。サックスの音がひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。
好きなものが被っちゃった人たちが考えた打開策は、音程が違うものを4人で吹こうというもの。サックスだけの編成なのに聞きにくいということもなく、上品な音を堪能することが出来ます。
赤坂達三
そうだ京都、行こう。で有名なアレンジ
JR東海のCMでかなり有名なアレンジのオーケストラの方。世代がやや上の人はああ!これか!となるはず。ひとによっては数々の旅の思い出が蘇ることでしょう。
三段階ぐらい曲の雰囲気が変わります。他のカバーの中でも一際優雅で切ないアレンジなので日本人が好きそうなアレンジです。とてもいい…。
Brad Mehldau
なんだか悲しくて悲しくてなピアノソロカバー
スタンダードうまく弾きすぎる男、メルドーです。哀愁たっぷりに弾いています。
音の一つ一つに慈しみの音が込められているように感じる。
曲の展開が凄くてセンスに脱帽するのはいつものこと。感情を揺さぶられる素敵なアレンジ。複数バージョンもあり、そっちも凄いです。
Olivia Ong
大人になると好きだなんて言ってられないの…ボサノバカバー
透き通った歌声で優しく歌い上げます。でもどこか悲哀な感じで儚さもあるのです。
少女から大人になるような空気感をギターが包み、バイオリンが先へ先へ連れて行きます。どこか酸いも甘いも経験したような色気があるカバー。
物思いにふけて、昔の自分を振り返りたい方へおすすめです。
Cuarteto Sonando
ラテンなのになんだかふんわりカバー
ラテン気味のアレンジ。激しいわけではなく落ち着いた演奏でじっくり聞けます。後ろで叩かれているパーカッションが、大地を想起させています。
上原ひろみ
プログレに変わった深みのあるカバー
上原ひろみ色全開のアレンジ。
七拍子アレンジでかなりプログレ色が濃いですが、とても不思議な世界を体験できます。メインテーマ部分は3拍子で、すべての楽器が気持ちよく絡み合って行く世界はとっても濃いですね。GtフュージンスキーとBaトニー・グレイの組み合わせは好きでした。
GONTITI(ゴンチチ)
どこか遠い土地でお気に入りを探し続ける旅のカバー
かっこいい。その一言に尽きますね。このカバーもJRで一時期流れていたのでこっちの方が好き、という方もいらっしゃるでしょう。
ゴンチチの曲は民族的要素が入ることが多いですが、それが上手く曲と溶け合ってとんでもなく雄大な曲になりました。ここまで冒険心をくすぐる曲はなかなかありません。
今すぐ何もかも捨ててお気に入りを見つけに行きたい。
HanaH Spring
陽気なアップテンポビートにおしゃれさも忘れないカバー
か、体が勝手に動いてしまうぜ!そんな感じのノリノリのお気に入り。ノリがいいだけじゃなくて皆が求めるようなおしゃれ要素もしっかり含んでいるナイスな曲。
ジャズ一家出身のハナさんがボーカル参加している曲です。なんだか震えてるような、個性ある声が頭のなかで反芻します。楽しくね。
Outkast
超スタイリッシュなフェイバリットドラムンベースカバー
今回の色モノ枠。ドラムンベースな感じのバックにメロディを突っ込んだカバーです。
イケイケのヒップホップの人たちがアレンジしたらこうなっちゃいました。
ピアノ・サックスもリズム隊に合わせて、激しく動き回ります。正直かなりかっこいいです。Hey!お気に入りなんてものは重くてその辺に落として来ちまったぜYa!とか言いそうなアレンジ。
おわり
様々なカバーいかがでしたでしょうか。好きな曲のカバーはどのバージョンも好きになってしまいますね。たくさんのカバーがあると一曲だけで一日中潰せてしまえます。
ちなみに原曲の作曲者Richard Rodgersですが、グラミー賞、アカデミー賞、エミー賞、トニー賞、ピュリツァー賞とこれらを全て受賞したのは彼を含めて世界に二人だけらしいです。凄い…。
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