ジャンルの垣根を超えて活躍するギタリストPat Metheny。
今回はほぼファン向けと限定的な記事になりますがMethenyを知らない人でも楽しめるように、個性的なカバーを紹介していきます。
意外なアーティストがカバーしているものも。
アーティストのカバー・アレンジ部門
こちらでは様々なミュージシャン達による愛に溢れたカバー集を紹介します。
曲を自分たちの音楽でアレンジしている曲集です。
意外な人選を選んでみました。
矢野顕子 -It's For You
・原曲
※音源ないので検索でどうぞ
矢野顕子とメセニー本人が演奏している楽曲です。
アルバム「Secret story」でも矢野顕子が一部参加していたりで交友があるみたい。
原曲も大変伸びやかで素敵ですが、こちらのアレンジの方が好きだったりします。
叙情的な楽曲に矢野顕子の高音ボイスが非常に良く合い、音楽の広がりがメセニーとうまく調和。
原曲ライブ版の疾走感のあるテンポに近いソロが楽しめるのも個人的にはポイント高いです。
Anna Maria Jopek-Follow me
・原曲
ポーランド人のアナ・マリア・ヨペックとのコラボでよりヨーロッパっぽくなったカバーです。
グループでは沢山の楽器を用いて自然溢れる曲でしたがこちらはバンドっぽさが出ていますね。
原曲のメインメロディをボーカルにし、全体的に音をはっきりとさせたような感じでケルティック。というか元の曲がかっこよすぎるので良いのは当然か。
収録アルバムには他に「Are you going with me?」等の有名曲がいくつか収録されているのでおすすめ。
ちなみにアルバムではこの曲のタイトルが
「Tam, Gdzie Nie Siega Wzrok (Follow Me)」となっています。
Gilad Hekselman Band - Last Train Home
最近知った人にはアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」でEDに使用された曲で有名かも。
陽気なリズムで楽しくアレンジ。皆で楽器を持ち寄ってセッション、といった雰囲気で演奏されていて原曲の壮大さはないものの、日常にとけこみやすいアレンジではないかと思います。
Gilad Hekselmanは牧歌的というかメセニーと少し似た、のびのびさを持ち合わせているので楽しく聞きたいという人にはおすすめ。気取らずありのままのギターを聞くことができます。
ちなみに360℃カメラなのでぐりぐり動かせます。
The Fellowship - Phase Dance
・原
ギターソロ3:55~
知らない方は「The Fellowship?」となるでしょう。実際あまり有名ではないバンドですが、ギターはあのGuthrie Govanです。ガスリー自体様々なギタリストのフレーズモノマネ動画をアップしてますので当然メセニーも知っています。
面白いのがバンド全体としては原曲寄りなのですが、ギターソロ部分が速弾き、チョーキング連発などHR風に弾いていてらしさ全開です。それなのに場違いにならず曲から飛び出しすぎない用にまとめているのは流石。
ほどよくはじけた「 Phase Dance」が楽しめます。
David Fiuczynski - Bright size life
・原曲
上原ひろみと以前共演していた事で有名なギタリストDavid Fiuczynskiのカバーです。
はじめに言っておくと彼のギタープレイングは変態以外のなにものでもありません。
普通の人とは違う音のアプローチをする彼らしく、テーマが始まるまでまったくそれとは分からないカバーで、ごりごりにアレンジされております。エレクトロ系の音を取り入れたり、ジャングル系のリズム隊部分があったりとそれはもうかなりぶっ壊しまくり。
ソロも意味不明音階なので挑戦的なプログレが好きな人ははまるかも。
Bob James Trio - James
・原曲
ギターカバーが続いたので次は緩やかなピアノジャズアレンジを。
ピアノの大御所が素敵にアレンジしています。
トリオ編成とシンプルな音でゆっくりランチできそうな雰囲気が楽しめますね。落ち着いた空間と音色で大人な色気が、原曲が持つメロディの良さを最大限引き出していると思います。
Bob Jamesのピアノは音数が多かろうが少なかろうが耳障りが大変良いですね。
Kurt Elling - Minuano
・原曲
メインテーマ3:10~
代表曲をいかにもなジャズボーカルアレンジに。
気持ちが落ち着く低めの声で軽やかに歌い上げており、ボーカルの力だけで壮大さがでています。
ミュージカル系の声質なのもあって華やかさがビシっとありとても聞きやすいはず。歌詞もどこかそれっぽいラブソング(?)なのでMinuanoという劇場に浸れます。
メイン部分のハモリが気持ちよすぎてこちらも歌いたくなってしまうほど。
曲はそのままセッション部門
アレンジというよりアーティスト達の、ソロ、フレージングを楽しめるものを集めてみました。セッションに近いものを集めたので正式な音源はありません。クリニック等で演奏されていたものです。
Henrik Linder, Fede Malaman - Bright Size Life
この中で一番有名なのは「Dirty Loops」のベーシストHenrik Linderでしょうか。
ああいうポップよりな楽曲を演奏している人のジャズは新鮮ですね。
他のメンバーもヨーロッパ系ではかなりの実力者が集まっており、特にギタリストのRiccardo Bertuzziはとても綺麗なフレーズで曲に合ったソロをとるギタリストで気持ちいいです。フュージョン・ロックよりのメンバーなので勢いでガンガンいくアンサンブルですね。
Mike Moreno Trio - Bright Size Life
先ほどのメンバーとは違い完全なジャズギタリスト。
かなり知的なのにどこかふわふわしたギターが魅力的だと思います。幻想的ないい意味で掴みどころがない、霧のような浮遊感と透明感があるフレージングがこの曲にぴったりだと思います。
有名所のアーティストがスタンダードまでいかない有名曲をカバーすると、そのアーティストの音楽性が垣間見えるのでたのしめますよね。
再現性重視部門
ファンとしてPat Methenyらしさを追求して、再現性を高めたカバーの紹介。
Pat Metheny Tribute band-Have You Heard
・原曲
愛が凄い。バンド名からしてPat Methenyファンなのが伺える彼らですがテクニックも再現度も凄い。
メセニーの定番フレーズや、ソロの方向性がとても本人を意識しています。すきあらばメセニーが弾きそうな音をガンガン取り入れており、とくに盛り上がってちょっと体が跳ねるところは笑ってしまうぐらいタイミングが似ています。
音の使い方的に80後半~90年台あたりのメセニーっぽい。始めて聞いた時の曲の年代がこのあたりだったのですごく懐かしい。
・追記
昔youtubeでローカルミュージシャンなのですが、仕草から何まで激似のギタリストを見たことがありチック・コリアの「SPAIN」のソロをメセニーっぽく弾いていました。
とにかくとんでもなく激似だったので見つかり次第追記します。